ラボの検査教室

病院で臨床検査技師として働くラボが検査結果について解説していきます

LDLコレステロールの検査値を解説

こんばんはラボです。最近は忙しくて久しぶりの更新になってしまいました。

さて今回は前回のHDLコレステロールに関連してLDLコレステロールについて解説していきます。

 

LDLコレステロールとは

LDLコレステロールもリポ蛋白の一種です。LDLコレステロールは細胞などに取り込まれやすい形となっており、肝臓から抹消の細胞へ運搬する働きがあります。血液中のLDLコレステロールの量が多いと抹消の細胞への運ばれるコレステロールの量が増加し、動脈硬化が進行してしまいます。そのため悪玉コレステロールと呼ばれています。

 

基準値

60~119mg /dl

 

異常値の原因

基本的には総コレステロールと同様です。

 

対策

総コレステロールの記事にて紹介した対策と同様です。

 

 

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異常値になったら

LDLは動脈硬化のリスクが向上します。そのためLDLが多いと心筋梗塞や脳梗塞の危険性が上昇します。LDLコレステロールが10mg /dl上昇すると心筋梗塞の発生率が10%増加すると言われています。そのため運動や食事によって改善することが重要です。また高度の上昇を認める場合は主治医に相談し、薬での治療も考慮される可能性もあります。

そしてコレステロールはHDLとLDLの比率が重要です。HDLが多い場合にはほとんど問題ありませんが、LDLが多い場合は心筋梗塞や脳梗塞などの危険性が高くなります。

 

 

LH比(コレステロール)

血液中のコレステロールや中性脂肪が高いと心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高くなります。そのためコレステロールや中性脂肪の高値は治療が必要と考えられます。しかし近年はHDLコレステロールの高値は体に悪いものではないことがわかってきたため、LH比の数値が注目されるようになりました。LDLとHDLを個別で見た場合に正常範囲出会っても、LH比で見ると異常である場合があります。例えばLDLが135mg /dl、HDLが45mg /dlの場合どちらも異常値ではありませんが、LH比は3.0とかなりの高値です。このような場合は心筋梗塞や脳梗塞など血管疾患のリスクはかなり高いといえます。

 

LH比=LDLコレステロール÷HDLコレステロール

 

基準値

2.0以下(健康な場合)、1.5以下(高血圧や糖尿病などがある場合):正常

2.0以上:動脈硬化の疑いあり

2.5以上:血栓ができている可能性あり

     (心筋梗塞などのリスクがかなり高い状態です)

 

異常値になったら

LH比は健康診断の項目に記載がない場合がありますが、計算によって算出可能ですので自分で計算し評価して見てください。これによってコレステロールの評価がより詳細にできます。そして異常となっている場合はLDLコレステロールを減らす、もしくはHDLコレステロールを増やすための対策を行いましょう。

 

まとめ

LDLコレステロールや総コレステロールの上昇は脂質異常症という疾患です。脂質異常症は心筋梗塞や脳梗塞のリスクを上昇させてしまいます。しっかりと治療を行いましょう。また生活習慣や食生活、喫煙などの習慣を改善することでも値を改善することは可能ですので、服薬治療と共に生活習慣などの改善も行いましょう。