ラボの検査教室

病院で臨床検査技師として働くラボが検査結果について解説していきます

検査技師が解説するCRPとは?

こんにちはラボです。病院で臨床検査技師として働いています。最近かなり暖かくなって来ましたね。僕は病院の中で働いているので直接外の気温を感じることはありませんが、患者さんの服装で暖かくなって来たんだなと感じます。そして寒さが去っていくと脳梗塞や心筋梗塞など血管疾患の患者さんが少なくなります。次は暑さによる熱中症が増えていきますので、皆さん熱中症にならないように気をつけましょう。

さて今回はCRPという項目について書いていきたいと思います。

 

CRPとは

体内に炎症が起きたり組織が障害されたりすると血液中に現れる蛋白の一種で、C反応性蛋白と呼ばれます。正常な血液中には微量しか見られないため、値の上昇は体内の炎症の有無を判断するのに有用な検査です。炎症の出現にて鋭敏(12時間程度)に反応し、病態の改善後は速やかに低下していきます。

 

基準値

0.30mg /dl未満

 

 

異常値となる原因

感染症や悪性腫瘍、外傷、手術後などの炎症に伴い上昇し、値が高ければ高いほど炎症が強いと判断できます。CRPは風邪や胃腸炎、アトピー性皮膚炎等の炎症でも上昇していきます。

 

まとめ

CRPは炎症が起きれば急速に上昇しますが、症状が改善されなければ低下していきません。そのためCRPが上昇させている時には原因をしっかり診断し、治療していく必要があります。またCRPが上昇している場合には症状がなくても体のどこかで炎症が起きている可能性が高いので、原因の検索をする必要があります。さらに手術後の炎症の状態を評価したり、感染症の治療効果の評価など病気の診断以外にも重要な役割を果たしており、病院では頻繁に行われる検査の一つです。

そして血液中の白血球数の値も炎症の評価に用いられる検査項目です。そこでCRPと白血球数とを合わせて検査し、より正確な炎症の評価が行われることもあります。次回は白血球について解説していきたいと思います。