ラボの検査教室

病院で臨床検査技師として働くラボが検査結果について解説していきます

総コレステロールの検査値を解説

こんにちはラボです。4月19日に映画『キングダム』の上映がスタートしました。僕は以前から漫画の『キングダム』が大好きで、ずっと読んでいました。早速映画も観に行きたいなと思っています。情報番組などで壮大なスケールで撮影されているという情報をみたので、とても楽しみです。

では今回は皆さんも気になるだと思う検査項目の総コレステロールという項目について解説していきます

 

総コレステロールとは

コレステロールは細胞の構成成分やホルモンの成分、消化液の成分などの役割として体内に存在します。しかし、体内で過剰状態になると動脈の壁に付着して動脈硬化の原因となり、この動脈硬化が進行すると心筋梗塞や脳梗塞の原因となります。また不足状態でも体に必要な細胞やホルモン、消化液が十分に作られないため治療が必要です。

 

基準値

120~219mg /dl

 

 

異常値となる原因

基準値よりも上昇する原因

・甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症では甲状腺ホルモンの分泌量が低下します。そうなるとホルモンの構成成分であるコレステロールの消費量が低下するため、値が上昇します。

 

・ネフローゼ症候群

体内のコレステロールは主に肝臓で合成されます。ネフローゼ症候群では肝臓でのコレステロールの合成が亢進し、コレステロールの値が上昇します。

 

基準値よりも低下する原因

・肝障害

肝臓に障害があるとコレステロールの合成が阻害され、コレステロールの値が低下します。

 

・甲状腺機能亢進症

甲状腺低下症とは逆で甲状腺ホルモンの過剰分泌によりコレステロールが消費され、コレステロールが低下します。

 

・栄養失調

コレステロールは食事によって補給します。しかし摂取するコレステロール量が不足するとコレステロールが低下します。

 

 

生理変動

基本的に加齢によって上昇していきます。男性では50代で女性では60代でピークとなると言われています。そのためコレステロールの値が異常になったり、徐々に値が上昇していったりしても不安に思わず、まずは専門医(内科)にご相談ください。

 

異常値になったら

コレステロールが高値となる原因は主に食べ過ぎや飲み過ぎ、糖尿病などによるものです。そのため治療の第一歩は食事療法や運動療法です。しかし、高コレステロール血症はすぐに症状が現れるものではありません。そのため危機感が薄く治療に身が入りにくいかもしれませんが、放置すると重大な疾患にかかる可能性があるのでしっかりと治療をおこないましょう。食事療法や運動療法は担当医や栄養士の指導のもとで行いましょう。過度な食事制限や運動は体の他の部分に異常をきたす原因となりかねませんので無理はしないようにしましょう。コレステロールが高値の時にオススメの食事について少し紹介しておきます。

 

食生活について

・脂質の多い食べ物

卵、肉類、チーズなどの乳製品

 

・改善にオススメの食べ物

野菜やキノコ類など食物繊維の多いものは腸管でのコレステロール吸収を抑えます。さんまやさばなどの青魚やビタミンCやEが豊富な食べ物は動脈硬化の予防に効果があるとされています。

 

 

まとめ

コレステロールは動脈硬化の進行の原因となり、心筋梗塞や脳梗塞など血管の病気に繋がってしまいます。コレステロールの値が高い方はしっかりと治療を行いましょう。