ラボの検査教室

病院で臨床検査技師として働くラボが検査結果について解説していきます

HDLコレステロールの検査値を解説

こんにちはラボです。病院で臨床検査技師として働いています。臨床検査技師は他の医療資格同様に常日頃の勉強が大事です。そのため学会や研究会、勉強会などに参加して知識をつけています。今日は自分の専門分野の勉強会に参加しました。仕事が終わってから参加する勉強会はしんどいですが、とても勉強になる会だったので今後の仕事に生かしていけるはずです。

今回はコレステロールの中でもHDLコレステロールという項目について解説していきます。

 

HDLコレステロールとは

コレステロールは脂質であり、そのままでは血液には溶けません。そのため蛋白質と結合したリポ蛋白という物質になり血液中に存在します。このリポ蛋白はいくつかの種類があり、その一つがHDLコレステロールです。HDLコレステロールは血液中や血管壁の余分なコレステロールを肝臓へと運ぶ役割があります。つまりコレステロールの増加を予防する働きがあり、動脈硬化の進行を予防します。そのため善玉コレステロールと呼ばれます。

 

基準値

40~100mg /dl

 

生理変動

喫煙やストレスによって低下します。また脂肪分の高い食事を多く摂ることによっても低下します。逆に適度な運動や適切なアルコール摂取によってHDLは増えます。

 

異常値の原因

基準値よりも低下する原因

・生活習慣

肥満や運動不足、喫煙など不摂生をしていることが原因となります

 

・先天性疾患

生まれつきHDLコレステロールを作るための遺伝子に異常がある方がいます。そのような方はHDLコレステロールが低値となります。

 

・重度の肝臓や腎臓の疾患

肝臓や腎臓に重度の障害が起きている場合にはHDLコレステロールが低値となります。

 

 

対策

HDLコレステロールが低下している場合は生活習慣の改善などの対策を行いましょう。今回は対策法をいくつか紹介します。

・食事療法

・肥満の解消

・有酸素運動

・禁煙

 

異常値になったら

HDLコレステロールが低下すると動脈硬化の進行が早くなり、心筋梗塞や脳梗塞などの危険性が増します。そのためしっかりと生活習慣の改善や薬などでの治療をしっかりと行いましょう。またHDLコレステロールが基準値以上に増加することがありますが、この場合はほとんど問題ありません。

そしてコレステロールはHDLとLDLの比率が重要です。HDLが多い場合にはほとんど問題ありませんが、LDLが多い場合は心筋梗塞や脳梗塞などの危険性が高くなります。

 

まとめ

HDLコレステロールは血液中の余分なコレステロールを取り除く働きがあります。そのため血液検査では低下していないかを確認しましょう。上昇している場合はあまり心配はありません。HDLコレステロールの値は生活習慣や食生活などに大きく影響されますでの、検査結果が低値になっている場合には生活習慣や食生活の改善を行いましょう。