ラボの検査教室

病院で臨床検査技師として働くラボが検査結果について解説していきます

検査技師が解説するA/G比とは?

こんばんはラボです。今日は残業のためこんな遅くの投稿となってしまいました。僕の病院では睡眠時無呼吸症候群の検査を行っています。この検査は患者さんが眠っている間に測定を行うため、眠る前に検査の準備を行わなければなりません。そのため準備を行う時間まで残って仕事をします。いつか睡眠時無呼吸症候群の検査についても記事にしたいと思いますので待っていてください。

 

さて今日は前回のアルブミンと関連した検査項目で、A/G比という項目を解説します。

 

 

A/G比とは

血液中の蛋白質はアルブミンが約67%、グロブリンが約33%の割合となっています。その他の種類の蛋白質もありますが、ほとんどはこの二種類です。そして、この比率でアルブミンが多いのか少ないのかを判断することができ、そこから病気の診断や病気の状態の評価をすることができます。

しかし、このA/G比は病院などでもらう測定結果に記載がない場合があります。ただ総蛋白とアルブミンの検査結果が記載されていれば計算で知ることができますので、なければ計算してみましょう。

 

*計算式:A/G比=アルブミン/(総蛋白-アルブミン)

 

基準値

1.1~2.1

*基準値は各施設によって違う場合があります*

 

異常値となる原因

基準値よりも上昇する原因

・グロブリンが作られない病気(無グロブリン血症など)

グロブリンとは体を守るための抗体の抗生物質です。そのためグロブリンの量が少ないと体の免疫機能が弱くなってしまうので、早く治療を行いましょう。無グロブリン血症や原発性免疫不全症候群などの病気で起こります。

 

基準値よりも低下する原因

・アルブミンが低下した場合

*アルブミンの記事にて記載*

www.labo-seven.com

 

・グロブリンが増加した場合

*総蛋白の記事にて記載* 

www.labo-seven.com

 

異常値になったら

総蛋白やアルブミンの値に異常値がみられた場合はそれぞれの値を単独で判断するのではなく、いくつかの項目を総合的に判断し、異常値となる原因を診断します。そのため一種類の検査項目が異常値だからと不安にならずに、医療機関を受診し総合的に診断をしてもらいましょう。

 

まとめ

A/G比はこの項目だけでは大きな意味はありませんので、総蛋白やアルブミンの値と合わせて総合的に判断しましょう。

今回はこれで終了です。まだまだブログ初心者ですので難しい言葉を使ってしまっているかもしれませんが、読んでいただけると役に立つこともあるのではないかと思います。それでは次回もよろしくお願いします。