ラボの検査教室

病院で臨床検査技師として働くラボが検査結果について解説していきます

アルブミン(Alb)の検査値を解説

こんばんはラボです。病院で臨床検査技師として働いています。

臨床検査技師には様々な検査の分野があり、それぞれに専門の資格があります。この資格は各分野の検査について高度な内容の試験に合格すると得られます。僕は超音波検査の分野の資格を持っています。今後はこの知識を生かして超音波検査についても何か書いてみたいです。

 

さて今回も採血検査の項目について解説していきます。今回はその中でもアルブミンという項目についてです。アルブミンは前回の総蛋白と関係の深い検査項目であり、前回の記事と合わせて読んでいただくと良いかと思います。

 

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アルブミンとは?

アルブミンは蛋白の一種で体内の蛋白の約6割を占める蛋白で、肝臓で作られています。

アルブミンの機能は血液中の栄養や老廃物の運搬、体内の水分の調整などがあります。

そして血液検査の値は栄養状態の指標となり、約3週間程度の栄養状態を評価できます。

 

基準値

3.8~5.3g /dl 

*基準値は各施設によって違う場合があります*

 

異常値となる原因

基準値よりも上昇する原因

脱水

前回の総蛋白と同様に血液中の水分が少なくなることで相対的に値が上昇します。

 

基準値よりも低下する原因

・肝臓の障害

アルブミンは肝臓で作られます。そのため病気によって肝臓に障害が起きると蛋白の生成が少なくなり、体内のアルブミン値が低下します。

 

・腎臓の障害

血液中の物質は腎臓にて濾過され、尿として体外へと排出されます。基本的にアルブミンは腎臓で濾過されず、血液中に保持されます。しかし、腎臓に障害が起こると腎臓の濾過がうまく機能せず、アルブミンが体外に排出されてしまいます。それにより体内のアルブミン値が低下します

 

・甲状腺機能亢進症

甲状腺の機能が亢進し過剰にホルモンが分泌されるとアルブミンが低下します。

ホルモンは血液中ではアルブミンとくっついて存在しています。ホルモンの量が増えると多くのアルブミンがホルモンとくっついてしまうため、アルブミン単体で存在する量が低下します。

 

・栄養不足

体内のアルブミンは摂取した食べ物から作らます。そのため栄養不足になると体内でのアルブミンの生成が低下し、血液中のアルブミン値も低くなります。

 

・炎症

体のどこかで炎症が起こると炎症部分周辺でアルブミンの消費が亢進します。それにより血液中のアルブミンが低下します。

 

 

 

異常値になったら

アルブミンの値は栄養状態の指標として用いられることがあります。他の検査項目に異常がなく、アルブミンが低下している場合は食生活の乱れや栄養不足が疑われますので、食生活の改善につとめましょう。

 

また、風邪や怪我など体に炎症が起きている場合も異常値となりますので、採血を行った時にこれらの心当たりがある場合は再検査を受けることをお勧めします。

 

そして異常値となる原因に心当たりがない場合は放置せずに医療機関に受診しましょう。

 

まとめ

アルブミンの検査項目は重大な病気と関連している可能性が低いです。日頃の栄養状態の評価と考えておきましょう。しかし、持病がある方の場合は持病の悪化や合併症の発症などが疑われますので、主治医に相談しましょう。

 

今回も拙い文章でしたが最後まで読んでいただきありがとうございました。