ラボの検査教室

病院で臨床検査技師として働くラボが検査結果について解説していきます

尿検査ではこんなことに注意!!

おはようございますラボです。今日は仕事で人間ドックの腹部超音波検査をしていました。その中の受診者さんに前年も僕が検査を行った方がいて、前年に症状が出現する前の病気を見つけました。その検査結果によって早期治療が行え、重症化しなくて済みましたと感謝の言葉をいただきました。今までしっかりと勉強し検査に取り組んできたことが報われた気持ちでした。皆さんも人間ドックや健康診断を定期的に受け、病気をより早く見つけられるようにしましょう。

 

さて今回は病院や健康診断で行われる尿検査についての注意点を解説していきます。

 

尿検査とは

尿を検体として行う検査のことです。尿は採取するのに簡便で苦痛を伴わないため容易に検査を行うことができるので、病院や健康診断など様々なところで行われます。

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注意点

・中間尿を採取しましょう

検査用に採取する尿は最初と最後の部分を捨て、中間部分の尿を採取しましょう。特に女性では健康な方でも最初の尿には細菌が混ざることがあります。しかし出始めの尿を採取しなければならない検査項目もありますので、担当者の指示に従って採取しましょう。

 

・尿量

検査項目によって必要となる尿の量は違います。事前に指示された量をしっかりと採取しましょう。また十分な量が採取できない場合は取り直しとなる場合もありますので、十分に尿をためておきましょう。

 

・前日の食事

事前に尿検査が分かっている場合は、前日にビタミン剤や栄養ドリンクなどは控えましょう。これらの成分の一部が尿に出てきてしまうことがあり、検査に影響を及ぼしてしまう可能性があります。

 

・服薬

薬によって尿検査に影響を与えることもありますが、検査のために薬を中止することはやめましょう。薬や治療を中断してまで行わなければならない検査ではありません。もし薬を中断しようとお考えの時は、主治医に相談の上で行いましょう。また事前の問診にて薬のことを申告していれば、それを考慮して検査結果を判断してくれます。

 

・生理中の方

生理中の方は尿中に血液が混ざってしまい潜血反応が陽性になりますので、事前に申告しましょう。

 

 

 

検査について

・試験紙法

試験紙を尿に浸して、試験紙の色調の変化で尿蛋白や尿糖などを定性的に判断します。

*定性的とは数値ではなく-、+での判定です*


・尿沈渣検査

尿を遠心機にかけ、沈殿した尿中の固形成分を顕微鏡で観察します。どのような固形成分が含まれているかによって病気の診断や泌尿器系の癌の早期発見にも役立ちます。

 

まとめ

最初にも書きましたが尿は採取するのがとても簡便な検体です。そして簡便に採取できる尿ですが、様々な情報を得ることができるとても重要な検査です。内科や泌尿器科を受診される場合は尿検査を行う可能性が高いので受診前に尿をして行かないようにしましょう。