ラボの検査教室

病院で臨床検査技師として働くラボが検査結果について解説していきます

風疹を知って、感染に気をつけよう!!

こんにちはラボです。最近ニュースなどで風疹が話題となっています。特に妊婦さんへ感染することで胎児に起こる先天性風疹症候群が問題となっています。そこで今回は風疹について解説していきたいと思います。この記事を読んでいただき、皆さんも風疹に注意してください。

 

風疹とは

風疹ウイルスを原因とし発熱や発疹、リンパ節の腫れを主症状とした感染症です。潜伏期間は2~3週間といわれておりますが、症状が現れずに治癒する不顕性感染の人も15~30%程度存在します。症状はいくつかありますが典型的なものはなく、検査を行わなければ風疹とは確定できません。

 

感染について

風疹ウイルスは感染した患者さんの咳や鼻水などを介する飛沫感染によって感染します。口や鼻から侵入したウイルスが喉や鼻のリンパ節で増殖し、血液を介して全身へと運ばれることで症状を引き起こします。感染力は比較的強く、インフルエンザよりも強いといわれています。そのため予防接種によって免疫をつけて集団感染が起こらないようにすることが最大の予防と考えられます。

 

症状

初期:倦怠感や微熱、首のリンパ節の腫れです

3~7日後:発疹が顔から全身にかけて出現します。

 

・合併症

頭痛、発熱、吐き気を伴った脳炎が稀に合併します。重症化すると意識障害が起きます。

・先天性風疹症候群

妊婦さん、特に妊娠20週程度までの妊婦さんが風疹ウイルスに感染すると、赤ちゃんが先天性風疹症候群にかかります。心疾患や白内障などの眼疾患、難聴、脳性麻痺などの重篤な障害が現れます。妊娠時期によって赤ちゃんの罹患率に違いがありますが、特に12週までの確率は高いとされています。

 

検査

血液検査によって風疹ウイルスに対して抵抗を示す抗体の量を測定し診断します。風疹ウイルスに感染しているかどうかは血液以外にも尿や髄液などでも検査します。

 

 

治療

風疹ウイルスに効く薬はありません。そのため症状を緩和させるための対症療法が行われます。また症状が軽度であれば治療などをしなくても自然治癒します。しかし他人に感染させないために外出は控えましょう。

 

予防

感染は飛沫感染によって起こります。そのためマスクや手洗いが予防には重要です。また風疹に感染してしまった場合でもマスクをしましょう。これは咳の飛沫が周囲に飛んでしまわないようにすることで周囲への感染が予防できます。

 

妊娠初期に風疹ウイルスに感染してしまうと赤ちゃんが先天性風疹症候群にかかってしまうので、妊娠する可能性がある方は事前に予防接種を行うことをお勧めします。妊娠中には予防接種は打てません。これはワクチンが生ワクチンといってとても弱ったウイルスを接種するものなので、このワクチンによって赤ちゃんへの影響が考えられます。

もし妊婦さんで風疹の疑いがある場合はすぐに産婦人科へ受診せずに、まずは電話にて主治医に相談しましょう。すぐに産婦人科へ受診してしまうと他の妊婦さんへ感染させてしまう可能性があるので注意しましょう。さらに周囲に妊娠の可能性がある妻や娘がいらっしゃる方も予防接種をして、風疹にかからないように注意しましょう。

 

まとめ

風疹は感染力がとても強い感染症です。そして妊婦さんに感染してしまうと胎児が先天性風疹症候群になってしまう可能性がありますので、予防接種やマスクなど感染しないように注意しましょう。また妊婦さんの周囲の方も念のため予防接種をして感染対策を行うことをお勧めします。


感染対策サージカルマスク ふつうサイズ 7枚入 ×5個セット