ラボの検査教室

病院で臨床検査技師として働くラボが検査結果について解説していきます

血小板数の検査値を解説

こんばんはラボです。臨床検査技師として働いている僕ですが、臨床検査技師は他の医療関係者同様に日々の学習が必須です。日々医療は進歩していくので僕たちも日々勉強をしていかないと医療の進歩についていけなくなってしまいます。そのため僕が勤務する検査室では定期的に技師同士で勉強会を開催して勉強しています。将来医療関係の仕事を目指している方は就職してからも勉強の日々だということを覚悟して目指してくださいね。 

では今回は前回に続き血球の一種である血小板について解説していきます。

 

血小板とは

体で出血が起きると血小板が傷口に集まり血液を固め、傷口を塞ぎ、出血を止めます。血小板が少なくなると出血した時に血が止まりにくくなったり、ちょっとしたことで内出血ができたりします。また、血小板が多くなり過ぎると血栓ができやすくなってしまうので、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高くなってしまいます。

 

基準値

13~37万 /μl

 

 

異常となる原因

基準値が上昇する原因

・血液疾患

血液のがんである白血病では血小板が異常に増加します。また、血小板が多くなる病気である本態性血小板血症や全ての血球が多くなる真性多血症などでも増加します。

 

基準値が低下する原因

・貧血

血液を造る機能に異常がある再生不良性貧血などでは低下します。

 

・血液疾患

白血病の中でも急性白血病という種類では血小板は低下します。

 

・肝疾患

肝硬変では血小板を造る命令をだすホルモンが放出されず、血小板が低下します。

 

異常値になったら

血小板が少ないと血が止まりにくくなるためとても危険です。ケガで出血する大量に血液を失ってしまう可能性がありますし、脳出血では血が止まりにくいと重症化してしまいます。

そのため高度の低値を示す場合には輸血治療が必要となります。近年では献血者の減少が問題となっていますが、このような病気の方には必要な治療です。さらに血小板用の輸血用血液は使用期限がとても短く、定期的な献血による供給がとても大事です。そのため日頃から献血に関心を持ち、できれば献血に協力しましょう。もしこのような病気に自分がなってしまった時に輸血に助けられることになります。

 

まとめ

血小板の低下は血が止まりにくくなり、怪我や脳出血などが重症化することがあるので医療機関を受診して原因を調べ、早期に治療を行いましょう。そして血小板の低下に対する対症療法は輸血治療になります。皆さんも献血に関心を持ち、献血に協力しましょう。

今回も読んでいただきありがとうございます。次回の記事もよろしくお願いします。

 


病気がみえる vol.5: 血液