ラボの検査教室

病院で臨床検査技師として働くラボが検査結果について解説していきます

検査技師が解説するクレアチニン・クリアランスとは?

こんばんはラボです。最近はだんだんと暖かくなってきましたね。新年度が始まると歓迎会などで飲み会が増えるためなのか、急性アルコール中毒で搬送されてくる方が増加します。皆さんは健康のためにも飲み過ぎには気をつけましょう。

 

今回は前回のクレアチニンに関連してクレアチニン・クリアランスという項目について解説していきます。

 

クレアチニン・クリアランスとは

はじめにクリアランスとは特定の尿中排泄物が1分間に何mlの血液から濾過されたかを示す指標です。この値が低いほど腎臓の濾過機能が低下していると言えます。クレアチニンは筋肉量や性差によって数値に個人差があるので、クレアチニン・クリアランスを用いてそれらの生理的変動の影響をなるべく除外することでより腎機能を評価しやすくなります。特に軽度の腎機能悪化を鋭敏に捉えることができます。

 

基準値

80~180ml / min

 

異常となる原因

腎機能が障害された場合には濾過機能が低下し値が低下します。

 

 

 

検査方法

一般的には24時間尿を溜めて、その溜めた尿中にどれくらいのクレアチニンが排出されているかを測定します。それと同時に血中のクレアチニンを測定し、二つのクレアチニンの値を元に計算によって値を出します。つまりこの検査では尿と血液を採取しなければなりません。計算方法はとても難しいので割愛させてもらいます。

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まとめ

腎臓の障害が疑われた場合はどのくらい腎機能が低下しているのかを知るために精密な検査が必要となります。前回解説してように腎臓の細胞を採取して直接細胞を観察する精密な検査があります。しかし針を刺したり、お腹を切り開いたりする必要があるため、まずは採血や採尿などによっておよその状態を把握する必要があります。その時に行うのがクレアチニン・クリアランスです。腎臓の機能は回復することが難しいので、悪化してから医療機関を受診しても遅い場合があります。そのため定期的に健康診断などでチェックすることがとても重要です。

 

今回は腎臓についての検査項目を書いて行きました。そこで今回は腎臓の機能が悪くなっていないかのセルフチェック方法を記載しますので、皆さんも確認して見てください。

・おしっこの色が変だと感じませんか

・おしっこが泡だったりしませんか

 (排尿後少し時間が経っても泡が消えない)

・むくみが気になりませんか

・顔色が悪いと言われませんか

・夜間に何度もトイレに行きませんか

*あくまで簡易的なチェック方法です*

 

今回はクレアチニン・クリアランスについて解説させてもらいました。今回は腎臓や尿についても病気がよくわかる本を紹介させていただきます。皆さん良ければチェックして見てください。

 


病気がみえる vol.8: 腎・泌尿器