ラボの検査教室

病院で臨床検査技師として働くラボが検査結果について解説していきます

検査技師が解説するγ-GTPとは?

こんにちはラボです。医療は日々進歩しているので僕たち医療関係者も勉強の日々です。勉強し続けないと医療の進歩についていけなくなってしまうので、勉強が大変に感じることもあります。しかし少しでも患者さんの役に立てるなら頑張って勉強しようと思い頑張っています。このブログでも少しでの誰かの役に立っていれば嬉しいです。

今回はγ-GTPという項目について書いていきます。

 

γ-GTPとは

γ-グルタミルトランスペプチダーゼの略で、肝臓での解毒作用に関与している酵素の一つです。肝臓や腎臓、膵臓に存在し、これらの組織が破壊された時に上昇します。特に肝臓に多く含まれています。

 

基準値

男:10~50 IU/l

女:9~32 IU/l

*男性よりも女性の方が低値です

 

異常となる原因

・飲酒、薬剤

アルコール成分や薬の成分を肝臓で分解する時に作用する酵素なので、飲酒や服薬によって酵素が作用し上昇します。

 

・アルコール性肝障害

アルコールの肝障害では特に鋭敏に反応し上昇します。

 

・肝硬変、肝癌、胆管の腫瘍など

肝臓にて処理された老廃物は胆管を通って消化管へと流れ出て、便となって排出されます。しかし肝臓や胆管に異常があると老廃物の排泄が障害され、肝臓へと逆流します。この時に老廃物と共に酵素も逆流し、逆流した酵素は血液中に漏れ出しγ-GTPの値も上昇します。

 

 

異常値になったら

γ-GTPの上昇が認められる場合はまず飲酒歴や服薬歴を知る必要があるので、医療機関を受診する際はお薬手帳を持参しましょう。そのあとに他の検査項目や超音波、CT等の画像検査を行い総合診断します。

 

まとめ

γ-GTPはアルコールに対して鋭敏に変動します。γ-GTPの値が高い方で毎日お酒を飲んでいる方は断酒をすると改善することがありますので挑戦してみてください。しかし長年の飲酒により肝臓に障害が現れてしまている場合もあります。アルコールによる肝障害は放置すると肝硬変や肝癌の原因となりますので、医療機関への受診は忘れずに。

今回も読んでいただきありがとうございました。